静脈を流れる血液は重力にさからって心臓に戻ってゆくのですが、逆流を防ぐためにたくさんの弁があります。
この弁が何らかの原因で壊れると本来は心臓に向かう血液が逆流し、足先に向かって流れてしまいます。そのため、ふくらはぎの静脈が拡張します。(図1)
下肢静脈瘤の治療の基本は、逆流してしまっている『大伏在静脈』や『小伏在静脈』の逆流を止めてしまうことです。足には他にも太い静脈があるので、原因となっている静脈を閉塞させても全体の静脈の流れに悪い影響はありません。
血管内レーザー治療は、静脈瘤の原因となっている『大伏在静脈』や『小伏在静脈』にボールペンの芯くらいの細いカテーテルという管を入れて、血管の中からレーザーを照射して血管を閉塞させてしまう方法です。
極めて細い針で局所麻酔をし、針を使ってカテーテルを血管に入れます。
カテーテルの太さは1mm以下ですから術後に傷はまったく残りません。
カテーテルが入ったら、その中にレーザーファイバーを入れて、血管の周りを細い針で局所麻酔し、レーザー照射を行います。(図2)
レーザー照射中に痛みや熱さを感じることはありません。