下肢静脈瘤の検査の基本は、足全体の静脈の流れを見ることです。
どれだけ詳細に、正確に静脈の流れを診断できるかが、より効果的な治療法に直結します。検査は視診、触診はもちろんですが、超音波検査が非常に大切です。超音波検査により、下肢静脈瘤の原因となっている血管を発見することが、効果的な治療法につながります。不十分な、または不正確な超音波検査では正しい治療はできません。したがって、静脈瘤の治療にはどれだけ正確な超音波検査ができるかが大変重要です。
静脈の流れは基本的には心臓に向かう流れです。立った状態では足の静脈の血液は重力に逆らって上に登ってゆきます。しかし足先には心臓のような動力源はないので、足先に向かう逆流を防ぐために逆流防止弁が非常に重要な役目を果たしています。
弁は足の静脈に無数にありますが、この弁が故障すると逆流がはじまり、ふくらはぎなどの静脈が拡張したり、むくみや重苦しさ、足のつり、などの症状がでてきます。
また足の静脈には、皮膚表面の静脈と内部の静脈をつないでいる静脈もあります。
この血管の流れは基本的には表面から内部へと向かうものですが、反対に内部から表面に向かう逆流がおこることでも静脈瘤の原因となります。
したがって静脈瘤の診断の基本は、どの血管に逆流があって静脈瘤ができているかを診断することです。
また、治療の基本は、その逆流している血管を止めることです。
静脈内の血液の流れる音の大きさや長さで血液の逆流を観察します。
下腿を手で圧迫と圧迫解除を行うと、圧迫時に順流の血流圧迫解除時に逆流が見られる。
静脈の血液の方向を観察したり、血管の大きさや走行・逆流の有無を観察します
◆患者様に安心して診療していただけるように努めること
医師、看護師、事務員、皆が患者様の悩みを共有し、患者様の気持ちに立って診療に当たり、安心して診療を受けていただけるように、診療後には明るい気持ちで御自宅、勤務先にお戻りいただけるように、精一杯努めたいと考えております。
◆患者様に最も適した診療、治療法を提供すること
患者様の病態はお一人お一人異なります。まずは患者様の病気(静脈瘤)の原因は何か、詳しくご説明します。そのあとで、では一番適した治療法は何か、また別の選択肢はあるのか、さまざまな情報を御提供します。ですから時には、大学病院を御紹介させていただく場合もあります。もちろん血管内レーザー治療が最も適していると考えればそう申します。ただし血管内レーザー治療の場合には常に保険診療であるストリッピング手術についても十分御説明致します。患者様が納得され、ご自身で治療法を決定していただくこと、それが最も誠実な方法と考えます。
◆患者様の経過をしっかりフォローすること
私は血管内レーザー治療にしろ、高位結紮術にしろ、それぞれの患者様の経過観察を大切にしたいと思っています。特に血管内レーザー治療後の経過はそれこそ千差万別です。1週間後には必ず御来院いただき、超音波検査も行い様子を診させていただきます。時にはその後にもっと来ていただく場合もあります。1週間後に御来院いただくことも煩わしいとお感じになられる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、合併症の予防・早期発見、そして患者様の術後の見通し、などを考えると経過観察はとても大切なことです。御面倒かもしれませんが、しっかりした経過観察は、安心して治療を受けていただくための一番の方法と考えております。
◆最新の医療情報の習得に努めること
究極の医療は、合併症0%、成功率100%、低費用です。でも残念ながらそうはいかないのが現実です。ただし、すくなくとも、その時に最も優れた診断法、治療法で診療にあたりたいと考えています。そのために、日本静脈学会、日本脈管学会、日本医学放射線学会、ヨーロッパ心臓血管インターべンション学会、医師会主催の静脈瘤以外の各種講習会、などに積極的に参加しています。スタッフにも弾性ストッキングコンダクターの資格を取ることを目標に頑張ってもらっています